2023/08/15

グラッサー博士の選択理論(13)自由への道


ウイリアム・グラッサー著

選択理論の基本の書(応用編








第三部      応用編

第13      自由への道


自分の人生で外的コントロール心理学を選択理論に置き換えるなら、どれほど多くの自由を持つことになるのだろうか。この章ではグラッサー博士が「選択理論の十の原理」と呼んでいるものが紹介されている。


(1)私たちがコントロールできる行動は唯一自分の行動だけである。これを意識し始めると私達は自分自身の自由を直ちに再定義し始め、多くの場合、意識している以上の多くの自由を持っていることに気がつく。自分の人生をコントロールすることはいつでも可能であるが、この意味で私たちは絶えず自由が自分にとってどれほど重要であるかを決めなければならない。

 

(2)私たちが与えることができるもの、他の人から受け取るものはすべて、情報である。その情報をどう処理するかはそれぞれの選択である。教師は生徒に情報を与えることができ、この情報を使う手助けができる。しかし教師は生徒に代わって勉強することはできない。

 

(3)長期にわたる全ての心理的問題は人間関係の問題である。惨めさの原因は常に望み通りにいかない重要な人間関係に対処する方法にある。私たちには、この問題を解決することができるという保証はない。しかし、私たちが問題に直面しなければ決して解決しないことは保証できる。


 (4)人間関係を探るのに、遠くさかのぼる必要はない。問題は過去のものでも将来のものでもなく、常に現在の人間関係である。私たちは多くのものから自由になることができるが、完全に自由な選択というのは不可能である。他の人の願望を常に考慮しなければならない。解決のサークルは自分たちの自由を再定義するときに、選択理論を知っている2人が使える良い方法である。

 

(5)過去に起こった苦痛は、現在の人間関係を改善することに貢献できない。満足していた過去の部分に再び戻ることは良いことであるが、不幸はそこに残しておくことだ。私たちが取り組むことは現在の人間関係を正すことである。

 

(6)私たちは遺伝子に組み込まれた「生存」「愛と所属」「力」「自由」「楽しみ」の五つの欲求によって駆り立てられている。これらの欲求を満たさなければならない。引き延ばすことができても拒否はできない。私たちは他人を助けることはできるが、他人の欲求を満たすことはできない。自分の欲求しか満たせない。他人の欲求を満たそうとすれば、不可能なことに取り組み、身動きができなくなる。身動きができなくなると私たちは自由を失う。

 

(7)私たちは、上質世界に入っているイメージ写真を満足させることによってのみ、こうした欲求を満たすことができる。私たちの知っているすべての中で上質世界に選択して入れるものが最も重要である。満足させることができないイメージ写真を上質世界に入れるなら、自由を放棄することになる。

 

(8)私たちが誕生して、死を迎えるまでにできることは全て行動することである。あらゆる行動は全行動で四つの分離できない構成要素、「行為」「思考」「感情」「生理反応」によって成り立っている。


 (9)全ての全行動は、動詞、あるいは不定詞や動名詞によって表現される。「落ち込む選択をしている」とか、「落ち込み行動をしている」と言うや否や、私たちはそれが一つの選択であることに気がつき、個人の自由を得たことになる。ここに、こうした選択を動詞て表現することがとても重要な理由がある。


 (10)全ての全行動は、選択されたものであるが、私たちが直接コントロールできる要素は、行為と思考だけである。しかしながら、自分の感情と生理反応のコントロールは、間接的に私たちが行為と思考をどのように選択するかによって行っている。このように理解することは、私たちを自由にして、コントロールできないものを避けるようにさせる。


 

間関係の中で、自分の得たいと思っている自由が得られないような感じがするときは、選択理論の原理「あなたは自分の人生だけをコントロールできる」を受け入れようとしていないからだ。しかし選択理論は一度学べば使えるようになる。使えるようになると自分が近づきたいと思う人々に自由に接近することができる。自由を使うために自由を得ることが本書の目的である。

 

◆以上で「グラッサー博士の選択理論」のまとめは終了する。およそ2ヶ月をかけて読んできたが難解な部分も多かった。ブログでまとめをすると思い立たなければ、各章ごとにまとめるというルールを作らなければ、今まで同様、自分に都合よく飛ばし読みをしていたと思う。いまは達成感を感じている。しかしここで終わったのでは本来の目標に到達したとは言い難い。何度もまた読み返していく中で理解が変化していく可能性もある。まだまだスタート地点にいることに変わりはないが、とりあえずは読了とする。

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