今回は第3章と第4章の印象に残った部分のまとめ。
第3章 効果的なリーダーシップ
◉力によるマネジメントと技によるマネジメント
- 力によるマネジメントは権力や地位などを利用して無理やりに相手を従わせようとする外的コントロールによるもの。ボスマネジメントと呼ばれる。短期的な成果を上げることはあるが次のような弊害もある。
上下の信頼関係を損なう。敵対関係を生み出す。
部下の仕事が単純化し、自立から遠ざける。
批判や脅し、強制が行われるために常に上の意向を気にする依存体質が形成される。
何事にも自分が関与するために上司はいつも忙しい。
上司が下位の業務に忙殺されて組織が発展しない。
※ボスマネジメントの「誤った対応の仕方」が第1章に書かれている。
まず行動パターンとして
・ 感情的に対応する。・ 問題のある部下を遠ざける。
・ 言い訳に応酬する。・ 批判、命令など強制により性急に部下を変えようとする。
・ 過去の経緯などを持ち出して反省を促そうとする。・ 問題の原因や理由を聞き出そうとする。
NGな接し方の例として
・嫌ならやめろ→高圧的に決めつけて相手の選択の自由を奪う。
・ もっとできるはずだ→プレッシャーと漠然とした不安を与える。
・ 作為的に保留状態にする→相手の自尊心を傷つけ、怒りを誘う。
・ 結論を押しつける→一見相談するフリをしてをするが見抜かれる。
・ 他人の発言を借りて非難する→無責任で誠意を疑われる。
・ 相手を見下すような言い方をする→相手を卑しめ怒らせる。
・ 他人と比較して批判・非難する→じゃあ自分はどうなんだ。
- 技によるマネジメントは相手の自主性を引き出して内的コントロールに働きかけるもの。それなりの技術を必要をする。人間関係を大切にしながら協力関係を築き、組織力を高めながら問題解決に取り組む。中長期的に強い組織を作ることができる。次の5つに留意する必要がある。
① リーダーはビジョンを示し、リーダーとしての旗を掲げる。② 情報はできるだけ分かち合い、組織の透明性を保つ。③ 交渉ができる、双方向のコミュニケーションができる環境づくりをする。④ 効果的なフィードバックをできるだけ行う。⑤ 成果をきちんと認め、認識していることを伝える。
◉「いい人」だけではリーダーシップはとれない
- 心理学を学ぶといい人になって人間関係は和気藹々としているが成果が出せない状況に陥ることがある。リーダーとして上手く自分を出すことが疎かになる。リーダーシップとはリーダーが自分の願望をきちんと伝えることができて、協力を取りつけられること。部下の願望を知ることも大事。お互いの願望を調整する交渉の技術が必要になる。
◉内的コントロールの工夫
- 気づきを促し自主的に変化してもらえるように支援する。交渉ではWIN-WINになるような妥協点を見出すことが大切。
- 情報提供、できる限りの情報公開、透明性を高めることが重要。できるだけ日頃から折に触れて行うことにより理解レベルを揃えることができるので受ける側の自主性が高まる。
第4章 より快適な毎日を送るために
◉私達にできることは「行動」
- 組織運営の基本は人間関係であり、自分自身がどう振る舞うか、周囲に影響を及ぼす前にまず自分自身をコントロールすこと、セルフコントロールが最も大切な基盤になる。
- セルフコントロールのコツは
・ 自分を抑制するのではなく、意識的に健全なかたちで効果的に欲求充足すること。
・ どんな状況にあっても自分でできることを見出しそれに力を注ぐこと。
・ 状況に流されず積極的な自分を維持すること。
◉日々小さな成功を積み重ねる
- 意識して自分をほめる生活上の工夫が必要。
◉悩みを抱える原因は、できないことをしようとしていること、もう一つは人間関係が上手くいかないことである。この2つはしばしば関連してくる。本書のまとめとして、快適な毎日を送るうえで不可欠な要素は、セルフコントトールで欲求充足をすること。そして達成感を味わうこと。生活の土台になっている人間関係を工夫して楽しむこと。
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